今を謳歌する部屋 SPIRAL住み方ストーリー

vol.2 訪問インタビュー

今を謳歌する部屋 SPIRAL住み方ストーリー

SPIRAL入居中Tさん × 湯川住み方研究所

いろんな想いやアイデアやを絞り出して2013年3月に誕生したスパイラル。現在4名の方に入居いただいていますが、実際に住んでいるお部屋にお邪魔してどんな暮らしをしているのか見てみたい!聞いてみたい!
今回は現在入居中のTさんのご厚意でお部屋にお邪魔し、スパイラルでの暮らし・住み方についてお話を伺いました。

Chapter1

今しか住めない部屋をさがしていて巡り合ったのがSPIRALでした。

– たくさん絵が飾られていて、ギャラリーみたいなお部屋ですね。

Tさん:自分自身も絵を描きますし、アーティストの友人や好きな作家さんの作品を集めているんです。

湯川:わーー!ステキ!
キレイに住んでくれてて、めっちゃ嬉しいです!

– どうしてSPIRALに出会ったのですか?

Tさん:不動産屋さんにいろいろ見せてもらったんですが、どれも普通の間取りでピンとこなくて、自分でネットで探している時に変な物件ってないのかな?って。そしたら湯川さんのサイトにヒットして 笑

湯川:僕自身、松山にこういう変わった物件に興味を持ってくれる人っていったい何人いるんだろうって少し不安に思ってたし、その人と出会う事が出来るかが課題だったんです。
ホームページも完成したばかりで、お問合せ頂いて嬉しかったです。

Tさん:不動産屋さんに勧められても、結局作った人じゃないから。面白い物件なら直接作った人の顔を見て決めたいと思いました。建築家の友人もいますし。

湯川:僕らの思っていることと同じです。
直接作り手がお部屋を案内できれば、誰よりも詳しく良いところ悪いところお話ができるし、想いも伝えることができるし。
お問い合わせは何件か頂いたのですが、実際に内覧したいと連絡をくれたのはTさんが第一号だったんですよ。

Tさん:実家から出て将来の準備をするため一人暮らしをしたかったんです。夢に向かってステップアップするための空間にしたかったので、作り手の想いが込められているような、楽しそうな空間に住みたいと考えていました。

Chapter2

見た人が住みたいかどうかは0%か200%、どちらかの部屋でした。

– 周りの反応はどうでしたか?

Tさん:友達や家族を呼んで内覧会をしたんですよ。

湯川:どうでしたか?

Tさん:意見が分かれましたねー。
すごくいい!ってハマる人もいれば、親戚や家族、あと年配の人には本当に大丈夫なの?って。

湯川:実際に不動産会社さんが入居希望者を案内しても、感想はやっぱり両極端だったそうです。半分以上の人は全くダメで、逆に今回入居した皆さんは絶対ここに住みたい!友達呼んで来て楽しく遊べる!って言っていただいたみたい。
部屋を選ぶとき、80%~90%いいなって思えば入居を決めるそうですが、SPIRALは最初に見た感想が0%か200%、両極端なんですよね。でも200%の人は本当に気に入ってもらえてます。

Tさん:美術が好きで遊び心のある人は「わー、ステキ!」って言うけど、そうでない人は「転げ落ちるんじゃないの?」とか「平屋がいいのに、なんでわざわざ4Fなの?」って言われました。

湯川:それは企画段階から言われてて・・・・・
僕も最初はあれこれ考えたけど、じゃあ「落ちそう」と「楽しそう」とどっちなの?お風呂が「テラスに面してて外から見えそう」と「明るくて解放感抜群」のどっちがいいの?ってことなんです 笑
今回の企画はそこの考え方にかなり時間を使いました。今回のプロジェクトは『他の部屋では体験できない楽しさ』それが全てなんです。

Tさん:落ちたことはないですよ。ある意味慎重になってるのかも 笑

Chapter3

作り上げる感じが◎ SPIRALの住み心地、90点。

– SPIRALに住んで3ヶ月半ですが、点数をつけると何点ですか?

Tさん:うーん・・・難しいけど、すごく楽しんで住んでいるので90点ですかね。

湯川:おぉぉ、高得点 笑

Tさん:SPIRALの照明はスポットだから作品を照らせるのはいいですね。友達に電気代は高い?なぜ蛍光灯じゃないの?って言われるけど 笑
階段とか作品を飾るスペースが多くて便利です。
あと、トイレが上からも下からもどちらからも近いのはいいですね。お風呂からの眺めもいいですよ。

湯川:お風呂が明るいから、半身浴しながら読書なんていいかも。

Tさん:楽しいですよね。作り上げる感じが。

– この部屋を住みこなすのは大変ですか?

Tさん:なに買って、なに飾ろうって考えるのはかなり大変です 笑
でもそこが楽しいんですけどね。

湯川:あえて作り込まなくて余白をいっぱい残したほうが良いというのが企画段階であったんですよ。住む人のセンスで物や色を入れてほしい。だから部屋は色が薄い方がいいなって。例えるなら真っ白なキャンバスのように。

Tさん:手ごわかったですねー 笑
オシャレすぎても嫌だし、住みやすくしたいなって思ってます。

– 残りの10点は?

Tさん:1つだけ言わせていただくと本当に疲れ果てるときがあるかな。例えば友達が遊びに来て、3Fにいて飲み物が無くなったときとか誰が1Fまで取りに行くか・・・・もめます 笑

全員:笑 笑 笑

Chapter4

いつか作品づくりをしながら、人と人がつながる空間が欲しいな。

– 将来住みたい家のイメージはありますか?

湯川:将来はマチナカではなくて郊外に住みたいんですよね。

Tさん:アートで人と人がつながる場所を作っていきたいな。
自然の中で子供も大人もアートに触れて、楽しんで、笑顔になれるような場所。アートスクールをしたり、ワークショップをしたり、作家さんの作品を売ったりする。そんな空間を作って住んでみたいですね。

湯川:ステキですね!例えばアーティストアパートメントとか楽しそう!部屋の中には何もない だだの箱だけで、仕上げはアーティストに全て委ねる。お好きにどうぞ的な。

Tさん:汚していいよっていうのは有難いと思う。床に絵の具が飛び散ってもOKみたいな。ブルーシートをしている人はよく見かけますから。

湯川:「部屋の中を汚しても全然OKアパート」面白いじゃないですか!もしアーティスト向けの物件を僕が作るときは、ぜひアドバイスお願いします。

 

SPIRALという真っ白なキャンバスに描かれた理想の暮らし。
ご自身の絵や集めている作品たちに囲まれた空間は、Tさんそのもののようで心地のいい場所でした。まさに作り手の想い、住み手の想いでつながって出来上がった一つの作品のように感じました。
Tさん お話を聞かせて頂きありがとうございました。

 

収録日:2013/9/23
取材・文 / 川井知子

湯川 一富

湯川住み方研究所代表

湯川 一富

2005年に不動産賃貸業を松山で開始。2011年 自らゼロから企画し、今まで松山に無かったものを創りたいという思いから「住み方マニア新築プロジェクト」をスタート。2013年1月「みつけよう、自分らしい住み方」をコンセプトに、新しい住み方を提案する湯川住み方研究所を設立。2013年5月~柳井町商店街で「家ではなく、まちに住む」をコンセプトに、まちづくりに奮闘中。